世界観の補足

【マラミア教】
マラミアは狂気を司る神とされ人間性を捧げる代わりに快楽と力を得るとされている 猿の頭を持った男の姿とされる
その儀式は実に奇怪で、生きた生贄を中心に囲うようにチーズ、ワイン、ネイドストーンひとつ、ナイフを四方に置き「狂乱の呪術」を執り行う
そうすることでサルの姿をしたマラミアの化身が現れ、青く輝く短剣を信者の胸に突き立てる
物理的なダメージはなく、代わりに人間性=感情や記憶がひとつ喪失する
媒体にされた生贄は彼の領域へ送られ儀式は完成となり、儀式後信者は圧倒的多幸感と魔力を得るとされる
「ベローイングアイルズ」と呼ばれる彼の領域に呼ばれ使徒となることが信者の最終目的


チーズのにおいにさそわれて 牧師憎けりゃサルまで憎い
ワインのいろかにさそわれて うつつ憎けりゃ星まで憎い
青銅のひかりにさそわれて えにし憎けりゃ愛まで憎い
やいばのねいろにさそわれて おのれ憎けりゃきみまで憎い
囲って唱えよ ”汝首をもたげるなかれ”
ああ 遠い青い星が見えるかね 見上げたらそこで終わり

                          ―――禁書「マラミア神話」より抜粋

【機巧兵】
ネイドストーンを動力源とする白銀の機巧兵士・通称マグナ
ストーンに内包された莫大なエネルギーを元に駆動し、破損具合が微々たるものであればストーンの再補充により再利用可能
鋼鉄で構成された身体はやや有機的にデザインされており、人型のものや偵察兵として動物型のものまで
ネイドストーンで動いているとはいえ所謂魔法は扱うことはなく、武装での戦闘が主
その歴史:
およそ10年前、王都にある“王立機構研究所”より試作機の開発が発表され、王都のみで試運転が開始 この試作機は通称・マグナスと呼ばれた
当初マグナスは王都の護衛兵として、兵士として、また副産物的に愛玩用としての利用を想定されていた
しかし突如として2か月経ったある日に研究所発令の元マグナスは全て回収される
それから6年後、マグナスの後続としてマグナが兵士として開発され、戦力として投入される
主な武装:
ガンスリング202 自動機関銃 弾丸は加工したネイドストーン 右腕より展開・収納 全200発
オダーヴィクン 内臓ネイドストーンから供給される魔力を圧縮展開する盾 左腕より展開・収納
スマグ 廃熱処理として全身に排気口が存在するマグナだが、ひと際大きい胴体の排気口より高熱の蒸気を輩出する

【王立機構研究所】
機巧兵士や魔力で動く兵器類を研究する機関。ゾルア直属機関。王都東にある。
所長は「カイトウ・マスミ」。
研究員以外では国王並びに元帥のみが立ち入りを許されており、研究所内の情報は極秘情報。軍によって厳重な警備体制が敷かれている。

【先住民】
建国前、この国に住んでいた氏族・タタル族 通常の魔法とは異なる体系をもつ秘術、錬金術への造詣が深い
ハスラと呼ばれる人喰いの神を崇拝しており、最北部にて自然の中住む
信仰上の理由並びに生活の為南下しては王都や他地域へ略奪や人攫いを行う
タタル族は皆ハスラの生まれ変わり“ナクン”の子孫であると信じており、山羊の角が生えた初老の像がある
タタル族は男は戦士、女は魔女となり、選ばれた戦士は魔女を纏める賢女主導の儀式によって“ハスラの戦士”となる
ハスラの戦士:
ハスラの牙と呼ばれるダガーで裂いた戦士の身体にタタルの秘術によって魔力を吹き込む
牙で裂かれたものは一時的にハスラと繋がり魔力を与えることで繋がりを強める
ハスラと繋がった身体はゾンビとして変質し、ハスラの戦士は誕生となる
つまるところハスラの戦士とは心臓を持たないゾンビ戦士である

【建国の歴史】
およそ100年前、蛮族タタルから狙われていた村があった。名を「ソンガール」。
20人程度の人口で成り立つ村は度重なる略奪と人攫いに疲労し、限界に近かった。
そこへカイレス・アーマインと名乗る男が現れます。
男は自分が女神ハイネの啓示を受けたこと、それに従ってこの村を救うためにやってきたと告げ、ある術式を村に張り巡らせた。
それからというもの、タタル族の姿は一向に消え、それどころか獣すら寄り付かなくなり村に平穏が訪れました。
しばらくして村はカイレスの導くまま徐々に拡大していき、最後には一つの国が出来上がっていきます。
後にカイレスはハイネの巫女と結婚し、初代国王となったのでした。      おわり

                                 ―――「子供向けゾルアの歴史」より抜粋

【サルバドレ大学】
王都西にある魔法学校。独立機関である他魔法団体やギルドと違い王都並びに王族と関係が根深い。
ゾルアの中でも規模が大きく、設備や人材が充実している。
しかし3年前魔法実験による事故を起こしており、特に普段魔法を扱わない層からの反発が寄せられている。

【魔物について】
この大陸には動物とは別に、魔物と呼ばれる魔力を秘めた生物が存在する。
通常の動物とは異なる生態・特徴を持つ。
野良のものから飼いならされた騎乗動物、軍の騎兵として、ペットまでと様々。
とはいえ魔物への抵抗感を覚える者は多く、軍事以外に移動手段として扱う者はまだ少ない。
最近では賊によって捕らえた魔物を戦わせる違法賭博が国民の間でにわかに流行っている。

【病気と呪い】
この大陸において国民が恐れるものの中にある病と呪いがある。
一つは「エリュトロン吸血病」
瞳は赤く発光し、肌が極端に蒼白くなる。血への渇望を抱え、日光に当たると皮膚が爛れる。長時間の日光、神聖(光)魔法への耐性が皆無。
病気に罹ると極端な膂力を得る他にも魔力が変質し、一時的な魅了魔法、死霊術を扱えるようになる代わり一部の魔法を扱うことができなくなる。
罹病者に噛まれる、引っ掻かれる、血液を飲むといった接触によって感染する。
生き物の生き血を啜る事で病の進行を抑える事が可能であり、完治するには病疫薬を一か月掛けて飲み続ける。

疫病薬のレシピ:
サーベルキャットの爪一つ、ゴブリンの舌一つ、ヨモギ二つ、ナツメ一つ、オトギリソウ一つを乳鉢に全て入れて混ぜます。20分蒸留すれば完成です。
ヨモギを入れ忘れると媚薬に、サーベルキャットの爪を入れ忘れると爆発するので要注意。
                      ―――サルバドレ大学公式発行読本「ゾルア薬物大全 2巻」より抜粋

もう一つは「人狼の呪い」
かつて古代の魔女が生み出し、無差別に振り撒いた古い呪い。呪いにかかった者は夜になると狼人間と化す。
特に満月の場合理性が欠落し力も一層増すとされる。現代でも魔女に呪われ人狼と化す者から引っ掻かれた傷から呪いがうつる事もある。
呪いを解く方法として長い時間神聖魔法による清めを行うものと、呪いを掛けた魔女を焼き殺すものが有名。

【ガーファンクルの獣】
ゾルア南部、ガーファンクル地方に出没する獣。
ガーファンクルの人間によると大柄な獣が夜、民家や農場を急襲し人や家畜を惨殺していく。
事件は1年前から不定期に発生し標的に規則性はないとされる。
目撃者いわく「犬にも似た白銀色の四足歩行で移動する動物であり、犬と呼ぶにはひどく大柄であった。」
最近になってガーファンクル以外の地域にも出現するようになり、王都郊外でも目撃されている。